第39章

水原遥はしばらく待っていると、携帯の着信音が鳴った。植田真弥からの電話だと思い、嬉しい気持ちで電話を取ったが、画面に表示されたのはおじさんだった。少し落胆したものの、彼女は電話に出た。

「おじさん、どうしたの?」

「遥ちゃんか、何でもないんだ。君の結婚に何も持参金をあげられなかったから、今日時間があれば、ちょっと買い物にでも連れて行こうと思ってな」

水原遥は最初「いいえ、結構です」と言おうとしたが、ふと考え直した。植田真弥は着る服があまりないようだし、今日のお祝いを兼ねて彼に服を買ってあげるのもいいかもしれない。どうせまだ時間は早いし、彼がすぐに帰ってくることはないだろう。

「じゃあ...

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